平成27年11月7日(土曜日)     テーマ 「繋ぐ」~歴史ある長商に新たな風を~




「演奏」
開会に先立つ吹奏楽部の演奏。曲目 服部克久作曲『自由の大地』。




15:30~16:45   会場 長崎市民会館


「黙祷」
これまでにご逝去された同窓生の皆様方に 哀悼の意を表し黙祷。
巨大スクリーンに投影されているのは「長崎商業創立130周年記念レトロスタンプ」。 デザイン原案:  田中杏実(本校2年生)。
総合司会: 荒木風花(本校高67回生。在校中に文化庁長官賞(全国高等学校総合文化祭放送専門部)受賞、「長崎がんばらんば大会」開閉会式の総合司会を務める)。


「祝いの舞」
長崎検番による『松の緑』、『長崎ぶらぶら節』ほか。『長崎ぶらぶら節』は本校旧12回生の古賀十二郎によって脚光を浴びた長崎民謡。出演者:長崎検番 音羽さん、るり羽さん、喜久乃さん、ゆう羽さん。写真のゆう羽さんは本校高61回生。


踊りのアンコールかけ声「しょもうやれ!」のリードをとる男子生徒たちに会場が呼応する。


「一、開式の辞」
   教頭 藤井長博


「一、国家斉唱」


「一、同窓会会長式辞」
   同窓会長 出口善男(本校旧56回生。医学博士、医療法人理事長、書道家。著書に自叙伝『いのちの雫』、『出口恵山米壽展(医と書と福祉総合版』など。国内外の書の展覧会でグランプリ受賞。世界各国美術館に作品永久保存多数。平成の三筆と称される。 県民表彰、勲六等単光旭日章、浜文化章、紺綬褒章2回、長崎新聞文化章など。ライオンズクラブ国際協会3337-C地区名誉顧問(元ガバナー))


「一、学校長式辞」
   学校長 松尾博臣

式辞
 本日の式典にあたり、田上長崎市長様、吉田長与町長様、毎隈市議会議長様をはじめ 議員の皆様、教育委員会の皆様、各学校長の皆様など、多数のご来賓のご臨席を賜りましたことは、本校の光栄とするところであり、心から御礼申し上げます。

 旅は帰るところがあってこそ、楽しめるものです。帰るところのない旅は、哀愁に満ちた放浪に過ぎません。各地で人生という旅をされている同窓生の皆様、「お帰りなさい」。思春期の魂が孵化する場所であった本校の記念式典にようこそご参加頂きました。

 さて、今回のテーマは『繋ぐ』。実は本校の歴史的資料が、経年劣化し始めていました。これを機に、膨大な写真や文書や音声を、国立公文書館をはじめとする各所からも収拾し、デジタル化して後世に繋ぐ。今回お手元に届けさせて頂いた『デジタル・アーカイブス』は、そのような使命感のもと製作・配布いたしました。
 この取組を通して、改めて多くのことを学びました。
 幕末から明治期にかけてこの国の動きは、長崎からはじまりました。世界の目は長崎に注がれていたのです。そしてそのような長崎の経済活動を支えた中には、本校が輩出した人材も数多ありました。
 時は巡り、再び世界が長崎に意識を注ぐ事態がやってきます。被爆です。落下中心地から1キロ。灰燼の中から、授業が再開されたのはわずかに42日後のことでありました。先輩方の計り知れない努力の基に、神話のごとき力強さをもって本校は再び立ち上がったのです。世界の刮目の中で本校は生まれ、世界の刮目の中で本校は復活を果たし、本日、130周年を祝うに至りました。
 時はただ過ぎ去るものではありません。それは降り積もるのです。降り積もる歴史が香しいものであるためには、今ある我々が進取の気概で挑み続けることが欠かせません。現在、本校は、「資格取得 日本一」に向けた取組や、オリジナル商品の開発、そして闊達な部活動などを通し、多面的豊かさのある人間づくりを進めています。知・徳・体の調和がとれてこそ教育であり、その中でこそ愛情の連鎖は生まれ、長商スマイルは生まれます。

 在校生の皆さん、いつの日か君たちも本校を後にします。そしてまた、本校は皆さんの帰る場所になるのです。皆さんにとっても、あの場所で私という物語の根源が培われたと言える学校であるために、一丸となって前進しようではありませんか。先人たちは人類未曾有の惨劇から、歩みを始められたのです。いかなる時も未来を信じて止まなかった精神が、本校には脈打っていることをしっかりと心に留めてください。

 本校に関わって頂いた皆様方の願いが、愛情が、降り積もり、本校のかたちとなっていることを感じております。本校は今後も社会に貢献すると同時に、多くの同窓生の皆様方から愛され続ける学校であろうと心しています。この場を借りまして、改めてお礼申し上げると同時に、今後とも、変わらぬご厚情を賜りますことをお願いし、私からのあいさつといたします。

平成二十七年十一月七日
長崎市立長崎商業高等学校長  松尾博臣


「一、市長祝辞」
   長崎市長 田上富久


「一、来賓紹介」
来賓: 長崎市長様、長崎市議会議長様、長崎市議会副議長様、長崎市教育長様、長崎市教育厚生委員長様、長与町長様、長崎市議会議員の皆様、長崎市教育委員会の皆様、長崎市教育委員会の皆様、姉妹校 広島市立広島商業高等学校長様、県立学校長の皆様、歴代校長の皆様、学校評議員の皆様、歴代PTA会長の皆様、歴代同窓会役員の皆様、旧職員の皆様ほか。


「一、祝電披露」
   事務長 菅原隆蔵


「一、伝統継承セレモニー」
以下の「歴史映像の上映とやぐらの入場」、「伝統を繋ぐ」「生徒誓いの言葉」、「平和の鐘打鐘」からなる。
上写真は会場後方を写したもの。出番を待つ4基のやぐら、その上部に掛けられた各回生及び支部の旗、さらにその上部には前方巨大スクリーンに照射する2基の投影機が見える。

○ 歴史映像の上映とやぐらの入場
 【ナレーション、投影映像、そして式典会場】
(九州最古の公立商業高校としての130年史を紡ぐ映像の上映が開始される。ナレーション: 永石凌、岩本花乃(共に平成27年度長崎平和記念式典の総合司会者)、西来実(放送部部長)。)

本校の源流は、安政五年に創設された「英語伝習所」に求められます。明治元年、『広運館』と改称。
その後、明治十八年、『公立長崎商業学校』が開設され、本校の百三十年の歴史が幕開けしました。

明治三十二年には、新町から中川町に移転。 明治三十四年、「市立長崎商業学校」と改称されました。

(映像上映と共に、生徒が担ぐ129個の提灯が灯された4基のやぐらが登場した。)
生徒たちが担ぐやぐらにともされた提灯の灯火一つひとつは、 本校の歴史、一年、一年を表します。
中川校舎の校門には、大きなゆーかりの木がありました。 創立百周年の時に発行された「新生長商」に、次のような文章が掲載されています。
「長商の先輩たちは、学校のシンボル大樹『ゆーかり』とともに、この時代の佳き青春を忘れることができない。肩をくみ、輪をつくって合唱する校歌とともに、思い出は甦り、涙は流れる。若き日の情熱、青春の感激は、背はくぐみ、髪は白くなっても、豊かなほほえみを取りもどし回生の気を漂わせる。長商を愛する者は、中川の蛍火にあこがれ、『ゆーかり』をトーテムと仰ぎ、カルルスの桜並木にやすらぎを求めた。……中川の乳房に育まれ、その血を受けた者は、等しく世の為、人の為、身を投じて倦まない人達である。」
昭和八年、油木校舎に移転。
戦争の時代を迎えると、学舎は工場となり、生徒は動員され、否応なく、戦争の渦に巻き込まれていきました。長商の歴史の中で、最も悲しくつらい試練の時でした。
昭和二十年八月九日十一時二分、原子爆弾が長崎に落とされ、白亜の校舎は 無残な姿になりました。
原爆は、いっさいを奪ってしまったかのように見えました。
ところが、
「長崎市立商業学校の生徒及び保護者に告ぐ  九月二十日よりは、市内中和寮において授業を行う」
長商の生命力はたくましく、再び、油木の地から立ち上がったのです。商業教育を貫く本校は、 前へ、前へと歩を進めながら、 その歴史を一つ、また一つと刻んでいきました。
昭和61年、油木校舎に別れを告げ、泉町校舎に移転。 また、新たな一歩を踏み出しました。
そして今、累々と受け継いできた「長商魂」は、先輩から私たちへとつながれています。

やぐらの担ぎ手生徒: 山崎可穏(「長崎県高等学校総合文化祭」生徒実行委員会委員長)、徳山亜美(オリジナル商品『出島クーヘン』開発した商業クラブ部長)、今村美佳子(全国大会出場したワープロ部部員)、丸山凜華(商業系最多資格保持者)、高崎秋穂・高崎瑞穂(ソフトテニス部長崎国体出場選手)、鬼塚瑠夏(全国選抜大会出場のソフトボール部主将)、千代田大悟(甲子園出場8回の伝統を誇る野球部主将)、金山礼二(ボクシング国体県代表)、吾妻賢志郎(全日本ジュニアテコンドー選手権大会3位)他、生徒会総務委員など含め、計24名。


○ 伝統を繋ぐ
130個目の提灯が、同窓会長から第70期生徒会長へと継承された。 人類未曾有の惨劇の中でも未来を信じて止まなかった本校に脈打つ「長商魂」の象徴だ。生徒会長は受け取った提灯を、やぐらの130番目の場所に繋いだ。

○ 生徒誓いの言葉
   第70期生徒会長 川中辰輝

誓いの言葉
 ただ今、出口同窓会長様から、130個目の提灯を引き継がせていただきました。そして、手渡していただいた提灯の重さをこの手に感じながら、歴史を象徴する流れの末尾に、取り付けました。
 舞台には、先輩方が過ごされ、私たちが今学んでいる一年一年を象徴する、130個の提灯が灯っています。その年ごとに様々な物語が刻まれたことでしょう。
 先ほど手渡していただいた提灯を重く感じたのも、単に時の経過を表すのではなく、これまで受け継がれた、その魂を、その精神を継承することなのだと、改めて感じたためです。
 幸運にも、130年の節目の年に巡り合わせ、このような栄えある周年行事に参加できますことを、私たちは誇りに思います。この後、同窓会の皆様にご用意いただいた提灯を、私たちも灯し、先輩方とともに、百年を超える伝統行事である提灯行列に参列いたします。
 一つの提灯は、一隅を照らすに過ぎません。しかし、誠心誠意の灯りは、諸先輩方と、友人たちと、響き合い、惹かれあい、いつしか街を、世の中を照らす灯りになることでしょう。
 私たち長商生は、続く後輩たちに、時代とともに先輩たちが学んでこられた平和と自由、そしてヒューマニズムの大切さと、校訓に掲げられた「誠実、明朗、進取」の魂を繋ぎ、歴史ある長商に新たな風を注ぎ込んで、より輝かしいものにしていきたいと思います。
 そして、私たちも、先輩方と同じく、校歌を高らかに歌ったよき青春を将来の糧とし、ふるさと長崎を担い、社会に貢献できる人間になれるよう、努力していきますことをお誓いいたします。

平成二十七年十一月七日
第七十期生徒会長 川中辰輝


○ 「平和の鐘」打鐘
   第71期生徒会長 梶聖菜
本校、並びに本校同窓生をはじめ、集われたすべての皆様方が、平和のうちに繁栄されることを願い、平和の鐘が打鐘された。平和の鐘は、平成二十一年度に姉妹校となった広島市立広島商業高等学校から送られた。


「一、校歌斉唱」
   校歌斉唱の音頭・エール: 堀充博(本校高15回生。当時の応援団長、福岡同窓会支部長)、 及び応援団長 越智愛乃、副団長 田川玲奈ほか本校応援団。鮮やかなビッグフラッグを背景に覇気が発せられた。


「一、一本締め」
   PTA会長 甲野正
緞帳が開いたと同時に会場を伝統世界に飲み込んだ長崎検番。巨大スクリーンに映写された人類史に関わる本校の歴史。灯る130個の提灯。新旧応援団長の陣頭指揮によって全員が熱唱した校歌。喪失と再生の物語が展開された式典はこうして幕を閉じた。






17:30~   コース 市民会館前広場 → 中通り商店街 → 浜の町アーケード → 鉄橋


先頭をリードする第70期及び第71期生徒会長。提灯行列には在校生・同窓生・PTA 1,800人が参加した。

華やかなバトン部の演技と、高らかに街に響き渡る吹奏楽部の演奏。

バトン部と吹奏楽部は、長蛇の列に対応するため第一隊、第二隊に分かれ演技及び演奏を行った。

左から長崎市教育長、同窓会長、学校長、長崎市長、長崎教育委員会学校教育部長。

提灯行列は明治44年の周年行事から実施されてきた本校の伝統行事だ。

屋内での式典と、屋外での提灯行列の、双方を貫く重要な役目を果たした提灯。世の平和と繁栄を願う長商魂の象徴はこうして街へと広がっていく。

長崎県の中心街である浜の町アーケードを進む。

記念式典は、在校生と同窓生が共有する物語を再確認し紡ぎ直す場だ。

こうして在校生もまた学校にまつわる物語を確認し自分の内で綾織っていく。

同窓会によって用意された提灯は2,000個を超えた。

同窓会とPTAが続く。

式典で灯された提灯の光を、全在校生と全同窓生そしてPTA会員共々に分け合う。

行列をなして街に分け入り、未来を信じて止まない「希望」の光で世を照らす。

各支部の旗や各回生の旗。ご参列頂いた来賓者から本校の伝統の厚みを実感したと称された。

高校は思春期の魂が孵化する場所であり、「私の物語」の根源が培われる場所であった。

「物語」を共有する共同体の穏やかにして晴れやかな輝き。

街に溢れる長商魂。

生徒が帰宅の途についた後も祝典の熱気は続く。

同窓会主催により中心街である観光通で執り行われた鏡開き。

雨天につき中通りのバトン吹奏楽によるパレードを中止。







被爆により、本校に蓄積されてきた歴史的資料は一瞬にして焼失した。ここに納められた史料の多くは、各所から寄せられた戦前の記録と、戦後再び本校が綴り続けた記録から成っている。九州最古の商業高校としての輝かしい歴史と、人類史上未曽有の被爆体験から立ち上がってきた不屈の歴史。これら史料は、先人たちの未来を信じて止まない本校精神と、何気ない日常の笑みの素晴らしさを伝え、もって生きることの意味を教えてくれている。史料の経年劣化が進む中、これらをデジタル化し未来に残し繋ぐ。これを現時点での私たちの使命と考え、ここに遺す。